健診結果みていますか

こんにちは!
尼崎市立花駅前 徒歩2分
めぐみ内科・糖尿病内科です。
今日は糖尿病専門医の院長が
健診結果のお話をします。

職場健診や市などの健診をうけられた事がある方!

結果をきちんと見ていますか?


ドキッとした方は少なくないはずです。
家族や職場から、うるさく言われ、
しぶしぶ健診を受けた方も
おられるでしょう。

中には受けるようにいわれたまま、
なんとなく時間が過ぎ、
受けるきっかけを逃してしまった方も
おられるかと思います。



また、折角受けた健診の結果が届いても、
封を空けずにそのまま、どこかへ、、、
といった方もおられると思います。

数値がひっかかっているから
病院にいきなさいと言われても、
元気だし、今特に困ってないし、、、

面倒だな、、、



わかります。
忙しいのに、
今困っていなことに、
目を向けなさいといわれても、
そんな気が乗らないことはないですよね。。。

しかし、健診結果に異常があったまま、
ほうっておくと、
10年後、あなたが考えているよりも
ずっと体調が悪い毎日が
待っているかもしれません。

そもそも体調に問題はないのに、 なぜ健診結果をもって受診をしないと いけなのでしょうか?

一言でいうと、早期発見・早期治療 です。
はじめは体調に変化が無くても、
症状がでてからでは、
治療が難しくなったり、
生活の質が落ちる病気は沢山あります。
また、初期であれば
治療方法の選択肢が広くても、
病状が進むと選択肢の幅が狭まることも
多々あります。
そして、治療費も嵩張り(かさばり)ます。

そういった病気を、
できるだけ早く見つけて
治療に繋げること。
それが健診の目的です。

健診で異常があった方、
一度精密検査を受けてみませんか?


私はこれまで何千人と健診で
ひっかかった方をみてきました。

再検査で異常がなければ、
『よかったですね』と安心していただけます。
異常があっても、専門医としての経験より、
10年後20年後も元気な毎日を
過ごしていただけるお手伝いを
させていただきます。



例えば尿検査。

◆尿検査でわかること
糖尿病、尿路結石、
尿路感染症(膀胱炎等)、
腎臓の障害などほおっておくと、
取り返しのつかない状態になることも
あり得ます。


通常、空腹時の検査では
尿に糖や蛋白はおりません。
例えば、尿検査で「糖+++」の結果ですと、
尿に糖が沢山でている事を示しており、
糖尿病の可能性があります。

また、「蛋白+++」の結果ですと、
尿に蛋白がおりている、
何らかの要因で腎臓に負担がかかっている事が分かります。



糖尿病や腎臓の疾患は初期には
自覚症状が無いことがほとんどです。

それゆえ、知らず知らずのうちに
進行してしまい、
症状がでる頃には
かなり病状が進行しており、
治療に難渋する
ことも
しばしば見受けられます。

血液検査をされた場合は、
更に評価できる内容が増えます。
項目にもよりますが、
貧血の有無、肝臓や腎臓の評価、
糖尿病、高脂血症、
高尿酸血症(痛風の原因)など
生活習慣病の状態が分かります。



これらを定期的にチェックすることで、
気がつかないうちにおこってしまっている、
身体の中の変化を見つけてくれるのが、
健診のありがたいところです。


☆健診でわかること


次に項目別に説明します。
長くなりますので、引っかかったり、
気になる項目のみお読みくださいね!

①血圧

血液はポンプの役割をしている心臓から
全身に送り出されます。
血圧は血液によって血管の内壁にかかる
圧力を表します。

心臓が収縮し、
全身に血液が送り出される際の血圧を
「収縮期血圧」とよび、
心臓が拡張し、血液が戻る時の血圧を
「拡張期血圧」とよびます。

高血圧は放置すると、
脳梗塞や心筋梗塞などを招く、
血管の老化(動脈硬化)の要因
となります。
健診でひっかかった場合は
早めに医療機関を受診しましょう。




②体重・身長・BMI

人間の体はよくできており、
少々食べ過ぎたり、
飲みすぎても翌日にはほぼ同じ体重です。
しかし、その生活を何日も、
何週間も、何か月も続けると、
余分なカロリーが体に蓄積します。

また、食べる量や運動量が同じで、
ご自身で思い当たる要因がない場合でも、
何らかの疾患により、体重が増えたり、
減ったりすることがあります。



毎日体重を測定する習慣のある方は
素晴らしいですが、
なかなかそんな方はおられませんよね。
健診では1年のスパンでの体重や体重の変化を
チェックします。
身長により適正体重は異なるので、
身長と体重のバランスをBMIで表しています。
この値により肥満やるい痩(やせ)の有無を
確認します。

実数値も大事ですが、体重の変化も重要です。
体重が急激に増えている場合も、
減りすぎている場合も要注意です。
何かが隠れている可能性があります。


③尿検査

・尿潜血
尿は腎臓で産生され、膀胱で蓄えられ、
尿道を通り排出されます。
その経路のどこかで出血があると
尿に血が混ざります。
出血量が多いと目で見て尿が赤くなりますが、
出血量がわずかですと
目ではわからないため、
尿試験紙で判定します。

注意が必要なのは、
試験紙での判定で潜血陽性となっても、
それがイコール血尿とは限りません。
試験紙の判定では、
他の物質を感知してしまっている
可能性もありますので、精密検査が必要です。



・尿蛋白
通常、尿にはほとんどタンパク質はおりません。
しかし、腎臓に何らかの負担がかかっていたり、
障害があると
尿に蛋白質がおりることがあります。

・尿糖
尿に、ある一定以上の糖が排出されると
試験紙で尿糖陽性となります。
血液中のブドウ糖が増えると、
尿中のブドウ糖の排出量が増えます。
尿糖が陽性は、血糖値が高い状態であることを示し、
糖尿病の可能性
があります。
また、血糖値に異常がなくても、
尿糖が陽性になる方もいます。(腎性尿糖)

糖尿病については詳しくはこちらをどうぞ!



④血液検査

※ヘマトクリット、血色素(ヘモグロビン)、赤血球数
貧血や多血症の有無がわかります。

貧血とは血が薄い状態です。
貧血は症状(立ち眩みや早朝のけだるさ)が
ではじめていても、
徐々に出ることが多く、
年のせいかと自覚されていないことも多いです。
貧血で一番多いのは鉄不足ですが
他にも要因はたくさんあります。


多血症は血が濃い状態です。
基準値を超えていても、
すべての方が治療の対象となるわけでは
ありませんが、ある一定以上の数値ですと
治療の対象となります。

※白血球数
ヒトがウイルスや細菌から
身を守るしくみのことを「免疫」と呼びます。
ウイルスや細菌が体に侵入した際に免疫機能が働き、
その最前線で活躍するのが白血球です。
ウイルスや細菌をやっつけようと、
白血球の数が増えます。
また、白血球は骨髄で産生されますので、
骨髄の病気でも異常に増えたり減ったりします。

※血小板
出血した際に止血の働きを担うのが血小板です。
数が少なすぎると出血傾向をきたし、
多すぎると血が固まりやすくなり
血栓ができやすくなります。

※AST(GOT),ALT(GPT)
肝細胞に多く含まれる酵素です。
肝臓や胆道系(胆汁のながれ)に
何らかの異常があると高くなります。
脂肪肝、アルコール性肝炎、
ウイルス性肝炎などで上昇します。



※BUN/Cr, eGFR
腎臓の機能を表します。
腎臓の疾患は初期には
ほとんど症状がないことが多いため
尿検査とともにとても重要です。

※血糖値
血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。
通常では、食事を摂ると血糖値は上昇し、
時間がたつともとに戻ります。
そのため、最終の食事をとってからの時間も考慮し、
血糖値が正常か否かを判定します。
高値の判定が出た方は糖尿病の可能性があります。
糖尿病については詳しくはこちらをどうぞ!


※HbA1cとは?
HbA1cは検査前の直近1~2か月の
血糖値の平均を反映した数値です。

Hb(ヘモグロビン)は赤血球内の
赤い色素のタンパク質の一種で、
全身の細胞に酸素を運ぶ役割をになっています。
血液中のブドウ糖がHbと結合すると、
糖化Hbとなり、赤血球の寿命が尽きるまで
そのままの状態でいます。

血糖値が高いほど
Hbに結合するブドウ糖の量は多くなり、
何パーセントのHbが糖と結合しているかを
数値化したものがHbA1cです。
血液中のブドウ糖が多いほど
Hbと結合しやすくなるので
HbA1cは高くなり、
少ないほど低くなります。

HbA1cが6%を超えていた方は、
糖尿病の可能性があります。
5.5%以上の方も予備群の可能性が
ありますので、
一度精密検査をおすすめいたします。
早めの受診により、
将来の糖尿病を予防できる可能性があります。



 

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